高校を卒業し、専門学校のHALに入学しました。
C言語が理解できずに中退、C言語とはプログラミング言語のひとつです。

そのあと19歳で親の会社で一時働かせてもらっていました。
そこで、飛び込み営業を覚えました。

といっても自分の親は何も教えてくれなかったので、パートのおばさんと一緒に営業に行き、
ひたすら頭を下げていたことを覚えています。

親の会社には商品の在庫がいっぱいあり、それをネットオークションで販売することにしました。
この頃、ネットオークション全盛期で、出せばなんでも売れる時代でした。

そんな中、名古屋のデパートに入っていた会社が潰れ、その会社から伽羅の数珠を買い取ることなりました。
伽羅とは、香りのする木、香木の最高ランクの物のことです。
伽羅の日本での相場はすでに出来上がっており、当時の相場は1グラム2万～3万でした。

最初はこんなの売れるのか。。。と不安に思いながらオークションに出品してみました。
定価180万円を150万円で出品したところ、なんと飛ぶように売れました。
売れると、今度は在庫がなくなったのでベトナムへ飛びました。

オークション以外に、お寺のお坊さんにもよく買って頂きました。
そこで、ちゃらちゃらした格好の茶髪の若造から、誰が高価な伽羅の数珠を買うんだと言われました。
そこで、おじいさんを一人雇い勉強してもらい、僕が部下か運転手という定で売りに行ったところ、
売れ行きはみるみる上がりました。

言ってしまえばただの香りのする木なので、それをいかにパフォーマンスで高く売るかが大切でした。
商品の良さを分かってもらい、商品も僕自身も信用してもらう事で、買ってもらえるのです。
自分の商品を売るパフォーマンスと、インターネットバブルとがかみあって売れたのだと思います。

運がよかったんだと思います。

お金儲けは楽しかったですが、当時の僕には信念や指針等なく、ただ売れればいいと思っていたので、
何かものたりず、つまらなかったです。

一緒に行動してもらったおじいさんとも、お金でのつながりしかなかったと思います。

この伽羅の爆発的な売り上げで、25歳の時には気付ば3億くらい貯金がたまっていました。

しかしその後、大事件が起こります。

「税務署」が来るぞ！

という話が入ってきたのです。

そうです、
僕はそんなに儲けていたにも関わらず、税金を納めていなかったんです。
今でもぞっとします。

まともに社会にでて働いたこともなく、急にお金がはいってきてしまって、舞い上がっていました。 税金と言えば、消費税、タバコ税くらいしか知らないくそガキでした。

税務署には半年間毎日毎日通われ、メンタル的にかなりやられました。
カラスの声が悪魔の声に聞こえました。
親にも迷惑をすごくかけました。
結局2000万円くらいの税金を支払い、「もうしません」という念書を書き、税務署との長い戦いは終わりました。

そこからは何もやる気が起こらずに、一緒に動いててくれたおじさんに、販売ルート、販売先を全てあげて、
伽羅の販売を辞めました。

税務署に入られた後は、何か仕事をするわけでもなくふらふらし、３年間程無職をしていました。
遊びにお金を使い気づけば3億の貯金も底をつきそうでした・・・

お金はさみしがりやだとここで気づきました。
また、案外お金って使えるんだなーとも思いました。

ある日、壊れた家のエアコンを捨てに、近くのリサイクル屋さんに向かいました。
そこで、処分代として５千円支払いました。
その後、僕の持っていったゴミのエアコンが5千円で売れると人づてに聞きました。

リサイクル屋さんは、処分代ももらえて、さらに売れてダブル儲けなんだ！！

と衝撃でした。
このことに気づいたのが、今の仕事の原点となります。

当時ふらふらしていましたので、無料回収を始めます。

2009年28歳の時です。

この時は個人事業主としてやっていました。
同級生に遊んでいる子がいたので声を掛け、やり方を教えていって、拠点を13個所に広めることができました。

最初の一か月で、他人がゴミと思っているものが、ほとんど全て売れるので面白く、真っ黒になりながら汗をかいて働きました。
売り上げも安定し、リサイクル業というものにすごく可能性を感じました。

当時、みなさんも道ばたで無料回収の旗をよく見かけたと思います。

気づけば13店にもなり、売上は順調でしたが、人間関係がうまくいかなくなってきました。

男のネタミ、やっかみのようなものです。

一緒にやっている同級生の友達に、

「親のコネ、親のせいでどうせ儲けているんだ！」

と言われました。
とても腹が立ちました。その時、誰も知らない土地でやってみようと思い、三重県松阪市へ行きました。
何故松阪市だったかというと、僕にも理由はわかりません。
とにかく豊田市から出たかったので、場所はどこでもよかったのです。

まずは住む所と、無料回収の拠点探しを始めました。
ゼロからのスタートでしたので朝8時から夜10時ころまで、がむしゃらに勉強し働きました。
そのおかげで、何とか御飯が食べれようになりました。
その時出会った人々に、助けられたり力を貸してもらったり、知恵をつけさせてもらったり、今でも感謝しています。

三重県では貿易がさかんでした。

ここで、コンテナ輸出の現場でタダで働かせてもらい、貿易について勉強しました。
すごく刺激を受け、 自分でも輸出業をやってみたいと思い、この時の経験が、今の海外輸出業にも活かされています。

かっこつけて、愛知県から飛び出していったので、三重県で何か成功しないと
愛知県には帰れないと思っていましたが、最後は結局女性トラブルがあり、女性は怖いと思って、
逃げるように豊田市へかえってきました。

三重県には３年間ほどいました。

今でも、仲間としてたまに会っています。

地元の豊田市に帰ってきたのが2012年です。
帰ってきてまず、倉庫をかりました。

三重県に行く前に、自分が広げていた無料回収グループがあったので、そこから商品を買い取る事からスタートしました。

他にも、愛知県中の中国人経営のスクラップ屋さん等を回り、輸出できるものや、金の取れる商品等を集めていました。
金のとれる商品というのは、いわゆる都市鉱山で、パソコン、携帯電話等です。

最初はタウンエース１台から始めましたが、量も増えてきて、２t車、３ｔ車と順調に車も増えていきました。

その頃、愛知県のパソコン買取相場が１台￥1,000円でした。
じゃあ僕は、帰ってきたオープン記念もあって、名前も売りたかったので

「￥1,500で買う！」

と言ったところ、話が広まったようで県外からも売りに来ました。
浜松市から、遠くは茨城県からも来て、こんなに噂は広まるのかと驚きました。

パソコンの基盤からは金、銀、銅、パラジウムが取れます。
古いパソコンは金の含有量が多く、当時金の値段は1グラム￥5,800円くらいでした。

この時グラムいくらの商売をしていたので、株式会社GRAMの名前が生まれました。

なぜ1500円で買っていたかというと、月10トンの基盤の採取を目標としてたためです。
毎月基盤を10トンを継続することで、大手の企業と取引することもできました。
ちなみにパソコン3台で約1kgの基盤が取れますので、3万台近くばらす必要がありました。

高く買っていたので、早く売ってお金をまわさなければなりません。
この時は一人でしたので、毎日朝の3時4時までずっと一人でパソコンをばらしていました。
おかげで、基盤を見ればだいたいの金の量がわかります。

2020年の東京オリンピックのメダルを都市鉱山から作ろう！というプロジェクトがありましたが、昔自分がやっていた事なので、
なんだかうれしく思います。

このころ、三重県で学んだコンテナ輸出業もしていました。
コンテナ１本を一杯にするには、相当な商品数がいります。

商品を確保する為、家の片付け作業をしていました。
一軒家の片付け5件で１コンテナのイメージです。

売上も増えてきて、以前に税務署に入られた苦い経験があるので、ちゃんと会社にしよう！と考え、
2014年7月に株式会社GRAMを立ち上げます。
会社立ち上げの時は、正直、会社に対する思いなんてありませんでした。将来の展望等もなく、
ただ、税務署が怖いので会社にしただけでした。

当時会社に対する思いはありませんでしたが、仕事に対する熱い思いはあったので、会社のロゴは最初からありました。
このロゴについては最後でお話します。

業務内容は個人でやっていた事の延長ですが、すこしづつ、変化していきました。

技術の進化でパソコンの金の含有量がだんだん減ってきており、輸出業のほうに力を入れていきました。
片付け業をして、家具等の商品を輸出していましたが、時に商品が足らないこともあり、そんな時は、解体工事の前の片付け作業を無料ではいらせてもらい、商品を集めることもありました。

その頃、解体工事を始めることになる、あるきっかけがありました。

片付け先のお客様からこんな事を言われました。

「GRAMさんで解体工事もやってもらえないのか」

と言われました。

お客さんからしたら、片付けも解体も、同じところで出来たらスムーズだし楽だということです。
そんな事があり、解体工事業の免許を取得し、解体工事業もスタートさせます。

海外でのリサイクルがメインでしたが国内でのネットオークション業務も開始します。

そして、片付け業の延長線で遺品整理業も開始します。
高齢化社会ですし時代に合っていると思いました。
輸出業やリサイクル業を上手く活かし、費用を安くできる所が自社強みだと考えました。

このようにして、今の
「解体工事業」「片付け業」「買取・輸出業」「遺品整理業」へとなっていきます。